働きながら法人化!? ツクリエ社員2人の挑戦ストーリー

起業を応援する会社「ツクリエ」では、起業への挑戦が日々の現場で生まれています。
そんなツクリエには、実はちょっとおもしろい一面があります。
それは社員自身もまた、起業に挑戦していること。しかも「やってみた」で終わらせず、事業として向き合い、法人化まで進んだ社員がいるんです。
今回は、ツクリエで働きながら起業し、会社という形に育ててきた2人の社員をご紹介します。
起業支援の現場で働く中で、どんな気づきがあり、どんな決断をしてきたのか。
仕事と起業を行き来しながら進んできた、そのリアルなハナシをお届けします。
Case 石田さん

株式会社トレニケーション 代表取締役
フィットネスクラブ運営企業にて店舗運営、人材マネジメント、新規出店、新規事業開発に従事。株式会社ツクリエ入社後Startup Hub Tokyo 丸の内にてイベント企画、相談対応、起業家育成プログラムを担当。自身で0→1事業立ち上げをするもサービスクローズ経験あり。初期仮説検証・アイデアブラッシュアップがメイン領域。グロービス経営大学院MBA/ユニコーンファームSAA 5期。

起業したい。でも、今のままじゃできなかった
前職でフィットネス関連の事業に携わっていた石田さん。トレーニングジムをオープンすることは、ずっと心の中にあった夢でした。
石田さん「トレーニングジムをやりたい、という気持ちはずっとありました。でも当時の会社は副業禁止で。このままじゃ起業できないな、と思ったんです」
その気づきが、次の一歩を考えるきっかけに。石田さんは退職を決意し、フィットネス業界で培ってきた経験をベースに、同級生とジム開業を目指し始めます。
「起業OK」が、決め手だった
ツクリエでは、社員が働きながら自分の可能性を広げられるよう、副業・起業支援に理解ある制度が整っています。それは単に「仕事とは別のことをしてもいい」という考え方ではなく、個人の挑戦そのものを応援する文化が、制度として根付いているからこそ。
そんなツクリエに石田さんが入社したのは2021年2月。この「起業・副業OK」という環境も、入社を決めた大きな理由のひとつでした。
石田さん「Wワークができることは絶対条件でした。いつか、じゃなくて“やりながら挑戦できる”環境を探していて。ツクリエは、それが当たり前にある会社だったんです」
そして同年6月、個人事業主として同級生とトレーニングジムをオープン。ツクリエで働きながら、自身も起業家としての一歩を踏み出しました。

オープン直後に訪れた、思いがけない壁
ところが、スタートは決して順風満帆ではありませんでした。オープン直後に直面したのが、コロナ禍です。
これまで思い描いていた運営方法は、一気に通用しなくなりました。
石田さん「正直、想定していたオペレーションはほぼ使えなかったですね。コロナ用の運営を一からつくり直す必要がありました」
試行錯誤を重ねながら、なんとかジムの運営を続ける日々。同じ頃、ツクリエでは東京都の起業支援施設で、コミュニティマネージャーとしての仕事も始まります。

支援の現場で、キャリアがつながっていく
起業支援施設では、イベント運営をメインに担当。大学院時代にイベント企画・運営に携わっていた経験や、スポーツ系講師とのつながりを活かし、現場を回していきました。
石田さん「イベント運営は、もともと得意な領域でした。どういうテーマで、どういうきっかけをつくるかを考えるのが好きなんです」
施設はシフト制で、朝番・遅番、土日祝の稼働もある働き方。それでも石田さんにとっては、むしろ心地よいスタイルだったそうです。
石田さん「前職もずっと不規則な働き方だったので、ツクリエの環境は苦じゃなかったですね。むしろ、すごく動きやすかったです」
なぜ、法人化に踏み切ったのか
2024年、石田さんは個人事業から一歩踏み込み、「法人化」を選択します。きっかけは、起業支援施設で出会った挑戦者たちでした。プログラム運営やコミュニティづくりを通して、起業を目指す参加者たちと日々向き合う中で、自分自身の起業への向き合い方が変わっていったといいます。
石田さん「参加者たちの『起業するぞ!』という本気の熱量に触れる中で、自分も、もっとちゃんと向き合わなきゃと思うようになりました」
それまでは、「個人で続けられればいい」という感覚もありました。けれど、一度すべてを自分で背負い、事業として向き合ってみたい。そう考え、2024年の年始に法人化を決意します。
同年10月、トレーニングジムを法人化。その報告をした際の、ツクリエの反応も強く印象に残っているそうです。
石田さん「法人化したことを伝えたら、『おめでとうございます!』と言われて。あ、挑戦をちゃんと受け止めてくれる会社なんだな、と思いました」
仕事も起業も。二足のわらじのリアル
法人化後も、石田さんの働き方は変わりません。ツクリエでの仕事と、自身の事業。その両方に向き合う日々が続いていました。コミュニティマネージャーからインキュベーションマネージャーへ役割が変わり、起業相談や新規プロジェクトへの関与が増えたことで、忙しさはさらに加速します。時間に余裕はなく、仕事と起業をきれいに切り分けることは、簡単ではありませんでした。
石田さん「使える時間は限られていました。寝る時間やスキマ時間を、全部使って回していた感じです」
ジムの運営では、お客さまのケガやスタッフの急な欠員など、想定外のトラブルも発生。ツクリエの仕事も本業だからこそ、簡単に時間を割くことはできません。それでも、石田さんが走り続けられた理由があります。
石田さん「信頼できるスタッフがいたことが大きかったですね。任せられる環境があったから、両立できたと思っています」
安定か、挑戦か。どちらかを選ばなくていい
支援する側であり、挑戦する側でもある。その両方を行き来してきた石田さん。ツクリエには、起業や副業に挑戦することを、特別なこととして扱わない空気があります。だからこそ、働きながらでも、一歩を踏み出すことができる。石田さんの歩みは、「挑戦をキャリアに組み込みながら、成長していく」、ツクリエらしい働き方のひとつなのかもしれません。
Case 森さん

株式会社ダイサンシャ 代表取締役
商社で営業畑を歩み、後に全国規模の大手塾で教育の道へ。大学受験指導者である一方、静岡のエリア長として会場運営・組織マネジメント・経営企画などに従事し、新規事業部門長を経て退職。2021年、趣味を活かしてモビリティ分野で起業、EC販売や営業代行など複数事業を展開。現在、自身の経験を元に株式会社ツクリエにて行政や大手企業など幅広いクライアントと連携、支援を行う。2025年、「株式会社ダイサンシャ」を設立。クリエイターのためのプロダクション「バクプロ」の代表を務める。

準備ゼロ、貯金を切り崩して始めた起業
2021年、森さんは会社員という立場を離れ、起業しました。きっかけは趣味でもあった“車”。 「自由な働き方がしたい!」と動き出した起業は、準備期間ほぼゼロでのスタートでした。
森さん「準備期間もほとんどなくて、とにかく貯金を切り崩しながら始める形でした。会社員から離れたい一心で、勢いで決めた部分も正直あったと思います」
勢いだけで走り出したようにも見えますが、その裏には大きなプレッシャーもありました。当時は、彼女と結婚の話が出ていたタイミング。事業がうまくいかなければ、生活そのものが立ち行かなくなる可能性もありました。
それでも挑戦したのは、「一回切りの人生、やらずに後悔するより、やってみたい」という気持ちが勝ったから。 こうして森さんの起業は、覚悟と不安が入り混じる形で始まりました。
不安定な日々の先に見えた、「会社員の軸」
起業後、事業は約3か月でなんとか軌道に乗りはじめ、徐々にマネタイズできるようになりました。一方で、収入の波は大きく、将来の見通しを立てにくい状況でもありました。
森さん「収入は良い月と悪い月の差が激しくて。このまま一人で続けていくのは、精神的にも正直厳しいなと感じていました」
収入の不安定さから、婚約が破談になるかもしれない──。
そんな状況も重なり、森さんは「もう一度会社員の軸を持とう」と考えるようになります。ちょうどそんなタイミングで出会ったのが、「起業支援」を掲げるツクリエでした。これまでの営業やマネジメント、起業の経験を切り離さずに活かせる場所だと感じ、2021年10月、森さんはツクリエに入社します。
起業経験が、そのまま“仕事の武器”になった
入社後、森さんは東京都の起業支援施設で、コミュニティマネージャーとしてイベント企画・運営を担当します。
自身の起業経験があるからこそ、参加者がどこで悩み、何につまずきやすいのかが自然と分かる。その感覚を強みに、自分のやりたいイベントを、次々と打ち出していったそうです。
森さん「イベントの企画運営は、起業支援では必ず求められるスキルなので、そこを集中的に磨けたのはよかったです。やりたいと思った企画を任せてもらえたのも、純粋に楽しかったですね」
その後、ツクリエが運営する起業支援施設「StartupSide Moriya」へ異動し、施設のマネージャーに。 運営全体の管理に加え、行政対応やチームビルディングなど、担う役割も一段階広がっていきます。

現場で積み重ねた経験が、次の起業につながった
2023年4月、森さんはStartupSide Moriyaのマネージャー業務と並行して、大手民間企業から受託したつくばの別プロジェクトにもジョイン。運営事務局として、入居企業の誘致に向けた営業や、クライアントが求める施設運営のフォローなどを担当しました。
複数の起業支援の現場に関わる中で、森さんの中には次第に「また自分の事業がしたい」という想いが強くなり、「やりたい事業」の輪郭も見え始めていきます。 きっかけは、現場で何度も目にしてきた、起業準備の途中で立ち止まってしまう人たちの存在でした。
森さん「やりたい気持ちはあるのに、形にできずに止まってしまう人が本当に多い。自分も同じ経験をしてきたからこそ、もったいないなと感じていました」
転機となったのは、ツクリエのメンバーと日常的に仕事をする中で得た気づき。 プロジェクトを進める中で、デザイン担当とのやりとりが増え、デザイナー特有の悩みや負担を、間近で感じるようになりました。
さらに、ツクリエの業務を通じて、社内外の複数のデザイン関係者にヒアリングを実施。 立場の異なる現場から話を聞く中で、腕は良いのに営業や自己管理といったバックオフィス面が苦手なために、本来の能力が発揮できていないという共通課題が浮かび上がってきます。
森さん「この困りごとを解消できたら、喜ぶ人は多い。これはちゃんと事業になる!と思いました」
事業化に向けては、ツクリエの同僚をはじめ、過去に起業支援施設で関わった経営者たちに相談。身近に相談できる環境を活かしながら、少しずつ事業の方向性を固めていきました。
テストを経て、法人化へ
2025年の夏、市場に通用するかどうかを確かめるため、数ヶ月間のテストを実施。 実際の反応を見ながら検証を重ねる中で、「この形ならいける!」という確信が少しずつ強まっていきます。
そして同年10月、森さんは株式会社ダイサンシャを設立。 起業支援の現場で培ってきた経験が、ここで自分自身の挑戦へとつながりました。
森さん「ツクリエにいたからこそ、すぐに相談できる人が身近にいた。その環境は本当に大きかったと思います」
法人化の準備と本業が重なる時期は、決して楽なものではありませんでした。
名刺やホームページの制作、銀行口座の開設など、細かな手続きが次々と発生。さらにスタートアップ界隈の交流会に足を運び、営業活動も並行して進めましたが、受注先探しには苦労する場面も少なくありませんでした。
森さん「正直かなりしんどかったですね。でも、それ以上に“ちゃんと前に進めている”という実感がありました」

次の挑戦は、もう始まっている
ツクリエで働きながら法人化した森さんですが、起業はゴールではなく、あくまで通過点だといいます。
森さん「実は、やりたいことはまだまだあります。ツクリエにいると、いろんな人や事業に触れるので、自然と“次にやりたいこと”に出会えるんですよね」
現在は、既存事業の拡大に加え、新たな事業にも挑戦したいと考えている森さん。 2026年2月には、Web広告を実施したい企業向けに、運用を代行する「BAKUTOKU」サービスをNEWリリースしました。

今後も広告展開を見据えた資金調達や、従業員の採用も視野に入れているのだとか。実際、森さんが立ち上げた株式会社ダイサンシャには、これから活躍したいデザイナーさんが集まり、前述の石田さんをはじめ、自身で事業をしている社員や関係先からも、デザインや広告の仕事を紹介してもらっているそうです。
社内外のつながりが、次の挑戦へと自然につながっていく。こうしたつながりが自然に生まれるのも、ツクリエという環境ならではなのかもしれません。
「働く」と「挑戦」を行き来しながら、キャリアと事業の両方を育てていく。森さんのストーリーは、そんなツクリエらしい働き方のひとつでした。
ツクリエで働きながら起業し、法人という形にまで育てた2人。 そこにあったのは、「いつか」ではなく、目の前の仕事の延長線上で挑戦を重ねてきた日々でした。
支援する側でありながら、自らも挑戦する。
ツクリエには、そんな挑戦を自然に受け止める文化があります。
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