表舞台に裏方、どちらもこなす“コンシェルジュ”のお仕事とは!?
“起業家に寄り添う”をミッションに掲げるツクリエは、いったいどんなお仕事をしているのでしょうか?
この「お仕事クローズアップ」シリーズでは、ツクリエの事業内容を掘り下げてご紹介。ホームページでは伝えきれないツクリエの仕事や情熱をお届けします!
今回取り上げるのは「コンシェルジュ」のお仕事について。
起業支援施設「Startup Hub Tokyo 丸の内」(以下略:スタハ)でコンシェルジュを務める女性3名にスポットライトを当てました!
注:スタハでは起業相談を承る相談員も「コンシェルジュ」と称していますが、今回の記事内では「相談員」と記します。
施設運営には2タイプあり。その違いとは?
ツクリエの事業のひとつに「起業支援施設の運営」があります。施設運営のタイプは大きくわけて2種類。ツクリエが自社で運営している「自主インキュベーション施設」と、他社・自治体から依頼を受け、ツクリエが運営をする「受託運営施設」のタイプです。
今回ご紹介するのは、受託運営施設のコンシェルジュになります。
THE スタハ相関図
ツクリエが運営する起業施設のなかでも、スタッフの数がピカイチ多いスタハ。ツクリエの社員だけでなく、相談員の方々やアルバイトさんも一緒に働いています。
そのなかで「コンシェルジュ」はどう関わっているのか。スタハ相関図をチェック!
コミュニティマネージャーに聞いてみた!
ツクリエのコンシェルジュってどんなイメージ???
フランス語で「アパートの管理人」を意味する「Concierge」。
しかし現在は、その意味から解釈を広げ、ホテルにおいてはお客様の要望に応えたり、案内したりする人を指すことが多いです。
では、起業支援施設を運営するツクリエのコンシェルジュは何を指すのか?
まずはスタハのコミュニティマネージャー(以下略:CM)に、役割のイメージを聞いてみました!
堀川さん「コンシェルジュのイメージはサッカーのミッドフィルダーかな。全体を俯瞰しながら細かい部分にもパス(配慮)してくれるので。」
東さん「正確性、スピーディーさが求められる事務と、きめ細やかな気配りや調整能力が必要とされる秘書。この2つを兼業したイメージです。」
森さん「イメージは公務員ですかね。 国(ここでいうスタハ)全体の奉仕・サポート業っぽいところがあるので。」
與川さん「受託施設の場合は、受託先の要望・意向を汲み取った運営が必要です。コンシェルジュはそんな要望を汲み取りつつ施設運営するので、舞台監督のようなイメージですね。」
スタハで働くCMからは、サッカーのミッドフィルダー、舞台監督、事務&秘書など、バラエティーに富んだイメージが飛び交っています。
それでは、スタハのコンシェルジュ出身で現取締役の小林梨恵さんは、どのように考えているのか。ツクリエにおける「コンシェルジュ」というお仕事、小林さんに直撃!
コンシェルジュは、ポジティブな場づくりのスペシャリスト!
小林 梨恵さん(取締役)
「CMと協力しながら“前進あるポジティブな起業支援の場”をつくっていくのが、コンシェルジュの仕事だと思います。施設の総合窓口として利用者さんとコミュニケーションを取り、疑問点があれば丁寧に答える。これはコンシェルジュの基礎業務ですが、基礎を積み重ねることで見えてくる“より良い施設運営の方法”を構築していくのも仕事。利用者目線と支援者目線の両軸で俯瞰し、常により良く改善していけるかが腕の見せ所になりますね。
また、コンシェルジュは、共に施設運営を盛り上げるCMから相談を受けることもあります。たとえば、CMから『起業家とこんなイベントやれたらいいな』という相談があった場合、いろんな観点からリスクや問題点に気づき、それを踏まえて『このやり方だったらできるね!』と一緒に仕組みを考えていく。
このように、起業支援施設で働く様々な役割のスタッフと協力し、起業家が前進できる運営方法を構築していくのが、ツクリエのコンシェルジュです。」
以上が、小林さんの考えるコンシェルジュの役割でした。
ここからは、いよいよ現役コンシェルジュの登場! コンシェルジュ経験で身につくスキル、やりがいや魅力など、実務にもとづいた現場の声をお届けします。
スタハのコンシェルジュ紹介
どんなヌケ・モレも見逃さない、スタハのMissチェッカー。数字まわりや校正能力が強いのは、生まれ持った性質か、はたまた記事後半に発覚する前職の経験値ゆえか。
スタハのアルバイトからスタートし、契約社員を経ていまでは正社員に。一児の母であり、ピアノの先生であり、スタハのコンシェルジュでもある、とってもマルチタスクマン。
美しい言葉遣い、丁寧かつ柔らかい物腰から、スタハのマナー講師ともいえる存在。現在、相談員二十数名いるスタハの名物サービスである「起業相談」を切り盛り中!
コンシェルジュ経験でメキメキ育つ! 日々の業務から得られる「パワーアップスキル」とは……?
CMが考えるイメージと小林さんが考える役割から、なんとなくコンシェルジュのお仕事が見えてきたのではないでしょうか。
続いては、コンシェルジュの具体的な業務から得られるスキルをご紹介。現役コンシェルジュの3人が、経験から育つ「5つのパワーアップスキル」をナビゲートしていきます!
①トラブルもなんのその!? 問題解決能力UP
青木さん「スタハはほぼ毎日、朝から夜まで開館しており、ご利用者の出入りも多くあります。メール・電話などのお問い合わせも含めると、日々大小さまざまな出来事が起こります。これを対処していくのもコンシェルジュのお仕事。
台風が近づいている、そんな前もって予測される問題なら過去事例やマニュアルがあるので対応しやすいですが、咄嗟の判断力が問われるトラブルは難易度高し。初動の選択を間違えて回り道しないよう、常に“どこにどんな情報があるか?”を頭にいれておくことがポイントです。
トラブルも場数を踏めば慣れていくもの。この経験の積み重ねが、“問題を予測して迅速に解決していくスキル”へと成長していきます。」
②大きいところから小さいところまで、どんどん見えてくる俯瞰力!
江尻さん「コンシェルジュをしていると“2つの視点”が研ぎ澄まされていきます。1つめは小さな問題も見落とさない“ミクロな視点”、2つめは様々な角度から施設運営を俯瞰する“マクロな視点”です。
たとえば、備品が使いにくいという小さな問題から、利用者さんが快適に使えるよう席の配置を考えるといった大きな点。こういった気づきは、利用者さんのご意見やスタッフとのコミュニケーションから自然と身についていきます。様々な側面から、広い視野で考えることがクセづくお仕事ですね。」
③マニュアル作成スキルもパワーアップ!
青木さん「まずは、一般的なマニュアルの定義から。マニュアルとは、業務の進め方やツールの使い方などが記載された手引書のことをいい、全スタッフが同じクオリティの業務をこなすために必要なものといえます。
こう聞くと、ちょっと堅苦しくて大変そう……という印象を持たれるかもしれませんが、日々の業務から得られた“気づき・テクニック・コツ”などをアウトプットできる場だと思えば腕が鳴ります。
それでは本題、スタハのマニュアルについて。スタハには、小さいものから大きいもの、また使用頻度の高いものから低いものまで様々なマニュアルがあります。」
「これらのマニュアルは、どの立場(ご利用者・スタッフ・アルバイト)から見ても理解でき、実行に移せることを念頭に入れて作成しています。
“○というルールを作ったら×という質問がくる”など、いろんなパターンを想定して作成すると◎。コンシェルジュ業務を日々こなしていると、自然と効率的なやり方が見えてきます。それを言語化してまとめ、スタッフみんなと足並み揃えて運営する。それを担うマニュアル作成は、コンシェルジュ業務の集大成といえるかも(笑)。」
④物事を円滑に進めるチカラ、“調整能力”もガッツリ磨かれる!
芳賀さん「施設運営では、利用者さんはもちろんのこと、社内外を問わず多くの関係者と接します。それぞれの要望をすり合わせながら円滑に運営を進めていくスキルは、コンシェルジュにとって必要不可欠。調整力が存分に磨かれる職種です。
たとえば、私が担当する業務のひとつに“相談員のシフト調整”があります。二十数名の相談員はみな、多忙な経営者。捻出いただける時間数はそれぞれ異なるなか、バランスの良いシフト組みになるよう工夫しなくてはいけません。お一人おひとりの予定や希望、施設側からの視点、ご利用者からの視点。様々な側面に配慮した調整が求められます。
また、それだけの人数で業務を進めていれば、突発的な予定変更やアクシデントも発生するもの。現実的な解決案を見出して、施設運営に支障がないよう舵取りしていくことは、コンシェルジュとしての腕の見せ所ですね。」
⑤利用者さんの声に耳を傾け、洗練された“聴く力”へ
江尻さん「施設運営をしていると、問い合わせがたくさん来ます。施設の使い方から、起業にまつわる困りごと、イベントを開催したいというご希望まで、その内容は様々。
スタハの利用者さんは起業の準備を始めたばかりの方が多く、解決策を求めて来てくださるのですから、その入り口からご案内を間違うのはご法度。利用者さんの困りごとに耳を傾け、問題の本質を見抜く。いわゆる“聴く力”が磨かれていきます。」
安心安全で、利用者さんにとって快適かつ前進ある起業支援施設を目指す。このミッションを念頭に日々奮闘しているコンシェルジュ。いろんな「気づき」や「悩み」と対峙することで、自然と身についていくスキルがあるようでした。
コンシェルジュのやりがい・魅力とは?
「やりがい」や「魅力」を感じるとダンゼン面白くなってくるのが仕事。
ツクリエのコンシェルジュ業務は「施設の仕組みづくりから受付・バックオフィス」とけっこう幅広めですが、この業務に自身のスキルや得意分野などがハマると充実感も倍増です。
そこでスタハのコンシェルジュに聞きました。
青木さん、江尻さん、芳賀さんの感じる仕事のやりがい・魅力とは?
☞これまでのキャリアを“最大限”に活かせる!
青木さん「コンシェルジュの仕事は幅が広く、またツクリエは社員の個性を大事にしていることから、持ち前のスキルや得意分野はどんどん活かそうという土壌があります。
私の前職は食品メーカーの企画営業。約6年務めた経験が、いまのコンシェルジュ職に活かされているのでやりがい満点。これは一例ですが、これまでのキャリアが役立っている業務を紹介します。」
【デザイン・校正】
食品メーカーの企画営業では、商品に関わることすべてに携わっていました。「美味しそう!」と選んでもらえるような、魅力的なパッケージ作り。正確性が問われる、栄養成分や原材料名などの情報チェック。この経験が、スタハ施設内の装飾やPOP作成に一役買っています。
【数字・データ分析】
前職では、新商品の原価計算や棚卸・資材管理など、数字にまつわる業務もやっていました。この経験が、スタハだと私の得意分野という位置づけになり、データ分析を任されています。ただし、データ分析=コンシェルジュ業務ではありません。得意分野があれば職種の垣根にこだわらず仕事として取り込めるので、やりがいにもなるし、働いていて楽しいです。
☞起業支援の場に花咲く起業ドラマに胸熱!
芳賀さん「起業支援施設では、利用者さんの様々な起業ドラマが垣間見れます。アイデアが固まらずモヤモヤしていた利用者さんが、CMや相談員とのコミュニケーションを経て、どんどんプランを具体化させていき、資金を得てお店を出す。このようなストーリーを目の当たりにすることができるのは、起業支援施設で働くコンシェルジュ最大の魅力だと思います。
“縁の下の力持ち”として積み重ねてきた、地道で地味な日ごろのコンシェルジュ業務が、パッと花咲く瞬間。『起業家のみなさんと一緒に自分も成長したい!』と思う人には、とても刺激のある職場環境だと思います。」
☞創意工夫で施設を盛り上げる、そんな挑戦にワクワク
江尻さん「地味な職種のようで、実はスタッフを牛耳っているかもしれないコンシェルジュ(笑)。施設の安全性・利用者さんの快適さ、これを守り続けるためには全スタッフと足並みを揃える必要があり、ときにコンシェルジュは指示灯となります。受付に立つ機会が多いからこそ見えてくる利用者さんの気持ち、ラウンジを見渡しているからこそ気づく施設内のより良いあり方。裏方と思われがちなコンシェルジュですが、アイデアを出したり、実行フローを作成したりと、表舞台にもけっこう顔を出しています。
日々の業務のなかで気づくこと、それを創意工夫して施設のクオリティにつなげることは、コンシェルジュのやりがい。理想の起業支援施設に近づくという挑戦が楽しいです。」
“起業支援会社のコンシェルジュ”
なかなかイメージが湧かないこの職種を知ってもらおうと取り上げた今回の記事、いかがだったでしょうか? 現場スタッフも度々口にするように、意外と業務の幅が広いお仕事。
それは、ツクリエが掲げるVALUE(バリュー)のひとつである「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」に影響しているかもしれません。個々の力を最大限に生かし、ベストを尽くすこと。
今回ご紹介したスタハのコンシェルジュたちも、個々の個性を業務に活かし、起業支援施設の運営に奮闘している様子でした。
現在ツクリエでは、東京都のコンシェルジュ職を募集しています。
全体的なリクルートのページは「RECRUIT」。
コンシェルジュについては「東京都コンシェルジュの応募を見る」でご案内しています。
ご応募、お待ちしております!
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