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ヨムリエ

ヨムリエの本棚 第2回ー人間関係に悩んだ時に読んだ本


起業に役立つ本がズラリと並ぶ「ヨムリエの本棚」。
この本棚には、起業経験のあるツクリエ中の人たちが推す、あらゆるビジネスシーンのヒントになる本がいっぱい。

この本棚から今回ピックアップしたのは「人間関係に悩んだ時に読んだ本」です。

今回はこのお二人にご紹介いただきました!

まずお一人目はこの方!


佐々木 博氏 (株式会社ツクリエ 取締役)

【得意分野】
ものづくり/ヘルスケア/農林水産/エネルギー/エクイティファイナンス/マーケティング

獄中記/佐藤 優


タイトル:獄中記
出版社:岩波書店

Qこの本の内容は?
著者の佐藤優氏は元外務省の職員で、ロシア専門家として2000年代の初めころに鈴木宗男氏(2021年現在、日本維新の会所属の参議院議員)と一緒に南樺太と千島列島の日本返還の外交交渉を裏で支えていた人物です。

当時の政治の波にのまれ背任容疑などで逮捕され、合計500日以上にも及ぶ期間、東京拘置所に収監されました。この本は、佐藤氏が牢獄の中で過ごした時の日記と佐藤氏を支える人との書簡などをまとめたものです。

Qこの本をピックアップした理由は?
不条理な取り扱いを受けているにもかかわらず、理不尽を恨まず、自暴自棄になることなく、学びと思考を深めていく著者の姿には驚かされます。

また、友人や佐藤氏を支えてくれる方々とのやりとりには、困難にぶつかった時にどれだけの人が自分を支えてくれるか、普段からの人との付き合い方がいざという時の結果になって如実に表れることがよくわかります。

Qこの本のエピソード
著者の佐藤氏は、その後、何冊も本を出す作家になりました。人間はどんな辛い状況に置かれても、本人次第で良くも悪くもなると、身をもって教えてくれた本です。

加えてビジネスや人生の教訓やヒントが詰まった一冊です。また、何気なくお付き合いしている友達との接し方がいかに大事か、いざという時にいかに役に立つか、そんな人とのつきあいかたも気づかせてくれました。
  

続いてお二人目はこの方!


桑名 隆滋氏 (IGNIS アンバサダー/株式会社オフィス・マルベリー 代表取締役)

【得意分野】
バイオテクノロジー/ヘルスケア/地域振興・観光/農林水産/エクイティファイナンス/販路開拓/アイデアブラッシュアップ

ながい坂(上下)/山本 周五郎

タイトル:ながい坂
出版社:新潮社

山本 周五郎『ながい坂〔上〕』『ながい坂〔下〕』(新潮文庫刊)

Qこの本の内容は?
舞台は江戸時代。下級武士に生まれた三浦主水正(もんどのしょう)が、長じるにつれて現出する背負いきれないほどの困難と、厳しい孤独に向き合いながら、職責を全うしていく半生記。

人は大事な場面に直面する時、上の立場・下の立場と関係に違いがあったとしても、共に一生懸命立ち向かえば心は通じ合うものです。物語でもそういう場面が描かれており、藩主である飛騨守昌治(ひだのかみまさはる)と主人公の主従の対面シーンは心に染み入ってきます。

日本を代表する時代小説作家・山本周五郎氏の代表作ですが、人物を見る他の人間の眼の描き方に惹き込まれました。印象に残っている描写は、盛夏に藩の大事を賭して馬場先門そば青山邸に向かう飛騨守が、常着に袴で汗一つかかない、その歩む姿とそれを見る供の感嘆。

克己心で寒暑を制御できるものなのか、と。昌治出馬の章は実に爽快です。

Qこの本をピックアップした理由は?
ただ一つ、困難にあっては「人を信じ切れる力」こそ寄辺。これを学んだ本です。

当時、会社は危機に瀕し、給与の遅配の詫びと、買掛金支払いの猶予の懇願に、内外八方頭を下げて回る毎日が続きました。思惑を隠した救いの手が差し伸べられる対極には、衷心より倒産を勧める知己もありました。

そして、経営者は、猜疑と自責の気持ちと、まだやれるという頼りない自負の間で足掻く。この様な精神状態の時期に、救いを求めて貪るように読み、読み返した書物の一つです。

私には人を信じる力が欠けている。そんな自分に嫌気がさす。しかし、人を信じる力はビジネスの根幹。この者に裏切られたら本望。そんな紐帯の可能性を求めて読んだ一書です。

Qこの本のエピソード
「人事を尽くし天命を待つ」という諦観の境地を得ようと、縋るように何度も読みました。もがきながらも道を見つけていく主人公にあやかりたいと、何度も読みました。

実は、この本と出会ったのは、子供の学校通信で紹介されていたのを、たまたま目にしたこと。

人生を支えてくれるような本との出会い方はいろいろあると思いますが、この紹介文がそんな出会いを提供できれば幸いです。

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