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点と点をつなぐ! 異業種キャリア座談会(後編)


ツクリエでは、様々な経歴を持つ社員が、その経験を活かし生き生きと働いています。
そこで今回は、ちょっと面白味や意外性のある、異業種の経歴を持つ社員4人が座談会を実施。
ざっくばらんなトークから、ちょっとマジメな話まで、前編・後編に分けてお届けします。

後編となる今回は、過去から現在、そして未来まで。座談会メンバー4人の苦労話やそれを乗り越えたエピソード、心境の変化や今後のキャリア像までと、話題も盛りだくさんです。
ツクリエのお仕事に興味のある方はぜひ、最後まで見てくださいね。

▼前編はこちら

座談会のメンバーはこちら!

ツクリエで苦労したことをどう乗り越えた?

山本 由香さん(以下:山本さん)
「ツクリエで働いていて、楽しいことだけではなく苦労したり、困ったりすることもあったかと思いますが、それをどのようにして乗り越えてきましたか?」

江本 珠理さん(以下:江本さん)
「以前は一人で抱える仕事が多かったのもあって、“判断”するのが簡単でした。今までの経験でいくと、対個人のシンプルな関係性でのやり取りだったので、自分の判断で『大丈夫、いいよ』って言えたんです。でも、起業支援の現場だと、長期的な目線で見たときに『大丈夫』ではなくなることがあるので、簡単には判断ができないんですよね。
『これってどうするのが一番よかったんだっけ?』って、判断に時間がかかることもそうですし、“判断軸”にも慣れないところがありました。」

山本さん:
「自分一人でステークホルダー(※)を担っていたときに比べると、当時と違った大変さがありますよね。」

(※)個人・団体問わず、直接的・間接的に影響を受ける利害関係者のこと

江本さん:
「質問のテーマからは逸れますが、それを苦労だとか、ネガティブだとかは思っていないんです。乗り越えようというよりも『勉強中』ということで回答させてください(笑)。」

逢坂 巴菜子さん(以下:逢坂さん)
「私は、自分のスキルに関係することでお話をしますね。
前職の地域おこし協力隊は、行政からの受託のような形なので、“予算が決まっている、かつ、やることも決まっていた”んです。その状態でツクリエに入社したので、起業家支援をしていく上での“収益モデル”とか、“収益化”の要素になるビジネスの基本的な構造の知識がなくて、入社当初は少し戸惑いました。仕事をしていく中で『そこも考えなきゃいけない視点なんだ』って気付くことが多く、そういった部分をキャッチアップするのがめっちゃ大変でしたね。」

山本さん:
「前職とのギャップを感じた瞬間だったんですね。それをどう乗り越えたんですか?」

逢坂さん:
とにかく“やりながら身につける”でしたね。ツクリエでビジネスモデルを考えたり、収益化に関するセミナーを企画されていたりするので、そういった企画に参加しながら勉強していました。
あとは今、事業開発を兼務しているので、まさに“働きながら学ぶ”のスタイルで経験を積ませてもらっています。ツクリエには挑戦できる環境があるので、そこがすごくありがたいですね。
また、この仕事は専門用語も多いので、最初は手探り状態で覚えていきました。今でも、もちろん勉強しなきゃいけないことはいっぱいありますけど、入社時に比べたら、知識も経験も身についてきたと実感しています。」

嶋田 翔太さん(以下:嶋田さん)
「僕は皆さんと違った視点になるのですが、前職が職種的に『連絡はFAXで』とか『出勤簿は用紙提出』というような会社だったので、ツクリエに入社して連絡手段が“Slack”(※)というツールに、カルチャーギャップを感じましたね。新しいツールも触ってみれば大丈夫なのでしょうが、触る前は分からないことに対しての怖さがありました。」

(※)主にビジネスシーンで使われるチャットツール

山本さん:
「それは慣れないことに対してのメンタル的な不安ですか? それともデジタルツールを使うことに抵抗があったとか……?」

嶋田さん:
「元々そういったツールは使うべきだと思っていましたが、そう感じる一方でさっぱり使いこなせず……。でも今では触っているうちに、徐々に慣れてきました。今は字を書くことがめっきりなくなったので、自分自身もアナログからデジタルに切り替わってきた実感があります。」

ツクリエでのお仕事風景

山本さん:
「皆さんのお話を聞いていると、“苦労と感じて乗り越えた”というよりも“学んで慣れて、あとはやるしかない”というような印象ですね!

私は、とあるプロジェクトのことをお話しますね。
このプロジェクトの担当は、正直『大変だ!』の連続でした。なぜかというと、『うまくいかない……』が積み重なっていたから。広報業務の中には“集客する”というものがあります。それなりに集客業務の経験は積んだつもりでしたが……このプロジェクトは上手くいかない。手を変え、策を変えながらも、『自分の作戦が間違っているのでは』『どうしたらいいのか』と悩む時期がありました。
そんな当時、一緒に進めていたCM(コミュニティマネージャー)の、この言葉に支えられたんです。

『ダメなら次。次もダメならまた次』を繰り返す

この教えもあり、最終的には多くの集客ができました。そして今でも、この言葉は私の中で響いています。『ダメなら次を繰り返す』っていうマインドは私の広報の仕事にも活かされているので、『一緒にお仕事をさせてもらえて良かった』って、今でも思えています。」

起業支援の現場に携わってどんな変化が生まれた?

山本さん:
「皆さんは、起業支援に携わってどんな変化が生まれましたか? ここでは、奥深い話が聞けそうで楽しみです!」

江本さん:
「今まで自分の目の前のお客さんと向き合って“良い場づくり”をやってきていましたが、ツクリエではステークホルダーがたくさんいて、業務を受けるだけじゃなく“環境を整える”こともしていますよね。
私の場合、相手との時間軸も短かったし、見えている空間が限定的だったけれど、それを有機的に作⽤させるのが起業支援なのかなって思えたことに、面白味を感じました。
それと、『入居者さんの未来をもうちょっと⾒てみたいな』という気持ちになれるなんて、入社前は思ってもみなかったですね。起業支援に関わって、自分の気持ちに変化が生まれました。あと、スキル面ではCanva(※)を使いこなせるようになりました。」

(※)オンラインで使えるグラフィックデザインツール

山本さん:
「なるほど。考え方やスキルもそうですが、起業支援に携わって新しい視点が出てきたという感じですね。今までにない視点がある点では、江本さんの中でのモチベーションにもなっていますか?」

江本さん:
「なっていますね。今までは“会費(お金)をもらうのがお客様”の考えだったんですよ。でも今は、“支援する起業家さんたち”であって、以前のような考えの関係性ではありません。純粋に支援する、支援される。そんな関係性でいられるのが面白いなって感じています。」

山本さん:
「CMならではの回答をありがとうございます。つぎに逢坂さん、いかがですか?」

逢坂さん:
「当たり前のことしか⾔えないんですけど。起業家さんに向き合う上で、起業家さんへのリスペクトがますます生まれたっていうのがあります。起業支援の現場に⾶び込んで、何かしらのリスクを背負っている起業家さんたちを目の当たりにすることが多々あって。そういった背景をしっかり理解して、生活をかけてやっている姿にリスペクトを払うことも、我々ができることなんだなぁっていうのを実感しています。

私自身、事業を立ち上げたことは経験としてはないからこそ、知識をストックするだったり、どんな課題が出てくるのかだったり、しっかりと分かっていなければいけないですよね。その上で、起業家さんと同じ土俵に立てるように⽇々、勉強をしていくべきだと思っています。」

山本さん:
「未経験として現場に関わり始めて、ビジネスの世界が見えてきたからこそ感じ取れることですよね。」

逢坂さん:
「そうですね。それに、起業っていろんな形があるんだなって思いました。ゴリゴリのテック系から、スモールビジネスのパン屋さんのような、生活に根付いた形まで。“十人十色”の起業を間近で見られる環境に、面白さを感じています。」

嶋田さん:
「考え方の変化で言うと、最初のころにアクセラレータ(※)をやる中で、『地方も東京の取り組みや施設を真似すればいいじゃん』って考えていたんです。

(※)主にスタートアップ企業や起業家の事業成長を加速させるための支援を行う組織やプログラム

でも、地方のアクセラレータの企画・提案書を作っていく中で『東京の真似なんてしなくてもいいんだ』っていう、考え方の変化が生まれました。その地方によって歴史や文化って全部違う。これって47都道府県単位ではなく、市町村単位でも全て変わります。それぞれの文化に沿った支援が必要なんだという考え方は、起業支援に携わって見えてきた視点です。」

山本さん:
地方ならではの悩みに沿った考え方を、仕事の中で学べるのもツクリエの仕事の面白さですよね
私が感じているのは、“起業家さんの9割くらいは苦労していて、1割だけが華やかに⾒えるだけ”ということ。例えば『人を採⽤したけど辞めちゃった』とか『資⾦繰りがあと数ヶ月で切れます』とか、ストレスが溜まるようなことが起業家には多いと思うんです。それでもやりたいことに向かっている姿って、話を聞いているだけでも、ものすごいことだなって感じます。
起業家さん自身が“明らかにうまくいってない”とか、“何かパーツを欲しているけど足りない”ってもがいている中で、そのヒントを起業支援に求めているんだと、改めて感じています。考え方の変化というよりも、起業家さんのお話を聞いていく中で、より強くそう感じましたね。」

ツクリエでのお仕事風景

これからどうなる!? それぞれが描く『未来のキャリア像』とは

江本さん:
「CMのキャリアがどう変わっていくのかは、ツクリエで勉強しながら考えていきたいと思っています。それをふまえて今は、いろんな地方・現場に行ってみたいですね。
“地域に根差した何かをやりたい”っていうのはおこがましいかもしれませんが、“よそ者(若者)が地域を変える”って、よく言いますよね。なので、今までやってきたことが、別の地域でも活かせるようなことができたらいいなって思います。」

逢坂さん:
「私は今、事業開発部の兼務を開始したばかりで。『Linked.Assist(リンクドアシスト)』(※)っていう、スタートアップ向けのアウトソーシングサービスに関わっているんです。

(※)会社運営に必要なリソースがそろう、スタートアップのためのアウトソーシングサービス

リンクドアシストは“ちょっと事務をお願いする”だけじゃなくて、経営相談やマーケティング戦略を⼀緒に考えるといった“パートナー”としての役割になるので、もっとスタートアップと同じ目線になっていきたいなと思っています。」

山本さん:「事業開発部の兼務によって、より現場目線に立っているということですね! 起業家さんのニーズを吸い取ったサービスを作っていくなんて、もうまさに社内起業みたいなものですよね?」

逢坂さん:
「まさにそうなんです! 元々、起業に憧れがあって『何かしらの事業を⽴ち上げてみたい』と思っていたので、今後どういう形であっても、その思いを実現したいです。
『やっとここまで来た!』っていうのと同時に、事業開発部の兼務は始まったばかりなので、『まずはスタートラインに立てた!』って感じですね。」

嶋田さん:
「僕は今後も、地方の魅力をもっと発掘できるアクセラレータに携わりたいなと思っています。一方で、地方の財源は限られている世界なので、その中でも“より良いもの”を残していきたいですね。色々な提案書に目を通す中で、“まちづくり”だったり“地域おこし”のようなキーワードに興味を持てたのも、ツクリエに入社したからこそだと感じています。」

山本さん:
「嶋田さん、ありがとうございます。
私は今、『モデレーターもできるし、ファシリテーターもやります!』といった“喋れる広報”を目指しています。ツクリエの広報の人たちって、みんな強みを持っているんですよ。文章力が高かったり、企画・編集に強かったり、デザイン力や情報処理能力に長けていたり。そんな中で、私にだけ強みがなかったんです。
でも、強みを模索した時、過去の職歴から私には“喋り”があるって思えたんです。実際モデレーターとかファシリテーターは『上手いね』とよく褒められます(笑)。私はディープテックが好きなので、“ディープテックの魅力を喋れる広報=⼭本”と、今後みなさんに覚えていただけるといいなって思っています。」

今回の『点と点をつなぐ! 異業種キャリア座談会』では、4人の持つそれぞれのキャリアが、起業支援の様々な場面で活かされていることが分かりました。
多方面で培われてきた強みは、起業家にとって心強い存在になっています。

「私の経験って何かに活かせるかな?」「誰かのためになれる仕事がしたい!」「ワクワクする毎日を送りたい」

今回の座談会の内容を見て、こんな思いを持った方はぜひ、ツクリエのご応募をお待ちしています!

私たちと一緒に、多くの起業家を世に送り出し、世界の起業品質を高めていきませんか?

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