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CMの本棚 第1回 「イベントの企画運営に役立った本」


起業支援に役立つ本がズラリと並ぶ「CMの本棚」。
この本棚には、起業支援施設で働くコミュニティマネージャー(以下略:CM)が推す、起業支援のヒントになる本がいっぱい。

この本棚から今回ピックアップしたのは「イベントの企画運営に役立った本」です。

まずお一人目のCMはこの方!

東 れい子さん
(ツクリエ社歴:2年/所属:東京都の起業支援施設「Startup Hub Tokyo 丸の内」)

アイデアのつくり方/ジェームス W.ヤング (著)、 竹内 均 (解説)、今井 茂雄 (翻訳)


タイトル:アイデアのつくり方
出版社:‎ CCCメディアハウス

Qこの本の内容は?
アイデアはどうやって手に入れるのか? その答えに迫る、アメリカのロングセラー発想術本です。既存の情報を組み合わせることで新しいモノが生まれる。この過程を、順序だてて分かりやすく解説しています。アイデアのつくり方を簡潔にまとめた、薄くて読みやすい本。

Qこの本をピックアップした理由は?
私の所属するStartup Hub Tokyo 丸の内(以下略:スタハ)では、どうやって起業アイデアを見つけていいか分からない利用者さんが多くいらっしゃいます。そんな方々に向けたイベントを企画しようと思い、この本を手に取りました。

「既存の要素を組み合わせる」という、当たり前のようで見過ごしがちな発想術に改めて気づかされた一冊。スタハの連続育成プログラム「THE FIRST PITCH」は、この組み合わせ発想術から生まれたイベントです。

Qこの本から学んだことは?
アイデアを考えるときは、5つのステップに分けて考えることです。
①データ(資料)集め
②データを咀嚼
③データの組み合わせ
④発見した!の瞬間
⑤アイデアのチェック

イベントを企画するとき、一つのことだけにフォーカスしてしまったり、興味ある分野だけに偏ってしまったり……。ついついやってしまいがちな思考ですが、5つのステップに従い発想していけば新しい組み合わせが生まれるはずです。

私の所感では、ステップ⑤「アイデアのチェック」が一番大変。ここをどう乗り越えるかが勝負なので、行き詰ったら同僚に意見を求めるなどして乗り越えていくといいと思います。

Qこの本はどんな人にオススメ?
これからイベントを企画する人、イベント企画に行き詰っている人、自分の発想にマンネリを感じている人などにオススメです。
この本は一時間くらいで読み終えるので、アイデアの生み出しにモヤモヤしたときはぜひご参考に。

続いてお二人目はこの方!

宇都宮 沙織さん
(ツクリエ社歴:3年/所属:大阪・京都の自主インキュベーション施設「Ogyaa’s」)

プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32/井庭 崇 (著)、梶原 文生 (著)


タイトル:プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32
出版社:翔泳社

Qこの本のポイントは?
「偶然の取り込み」「自分なりの引き出し」「ダメ事例の研究」「隠された良さ」「愛着が生まれる余地」「実現のリアリティ」「くずしのポイント」「未来を織り込む」「感性の相性」など、32のコツのタイトルが面白いです。

このタイトルを楽しみつつ自分の事例と重ねていけば、よりリアルなイメージを持って読み進められると思います。

Qこの本から学んだことは?
イベント企画を考えていると壁にぶつかることも多々あり、壁を回避するため別の方法で考え直すこともあります。それはそれでいいのですが、この本を読んだことで壁を避けずに掘り下げていき、「新たな価値」や「独自の価値」をどうやって生み出していくか考えるようになりました。

日々の業務に追われ、一つの企画を深く考えることを忘れていたのではないか。企画って、本当はもっと深いもの。そう気づかされた一冊です。

Qこの本はどんな人にオススメ?
「企画」という言葉はかなり大きな言葉で、明確な答えはありません。しかし、この本では企画についての記述が絶妙にパターン化されていて、感動するほどでした。32のコツから企画のパターンを学び、自分なりの企画を生み出すヒントが得られるはずなので、企画についてモヤモヤ悩んでいる人にオススメ。

また、タイトルの「企画」や「新規事業」だけでなく、日ごろの仕事を面白くしたい人、コミュニケーションを磨きたい人にとっても役立つヒントがいっぱいです。

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