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科学実験×起業!? 子ども達と一緒に“ウーブレック”を調査せよ!


ドロドロ、ネバネバしていて、それでいてかたくもなる不思議な物質“ウーブレック”。
この不思議な物質はなんだろう……?

かき回したり、つっついてみたり、ストローで吹いてみたり。
いろんなふうにウーブレックを調査し、分析して、みんながアッとおどろく商品を考えてみよう。

調査してくれたのは、「科学実験で起業を学ぶ!? 未知の物体を研究して商品アイデアを考えよう!」(8/16開催)」に参加してくれた子ども達。

調査員の子ども達と一緒に“不思議な物質”の正体を探り、
いざ、起業体験へ!

なべっち
(渡邉涼太/東京都の起業支援施設「Startup Hub Tokyo 丸の内」所属)
科学の不思議な実験を通して、子ども達に“未来を切り拓(ひら)く力”を教えてくれるよ。普段は、起業家のお手伝いをするツクリエって会社で働いています。

ウーブレックってなんだろう???

魔法の泥とも呼ばれるウーブレックは、有名な童話作家Dr.スースが書いた「バーソロミューとウーブレック」という物語から由来しているんだ。

物語は、王国の天気に飽きた王様のお話し。毎日の天気に飽きた王様が、魔術師を使って“ウーブレック”を降らせるというもの。

実はこのウーブレック、おうちでも簡単に作れるよ。作り方はおしまいの方で紹介するから、最後までお見逃しなく!

なべっち「新しい商品を作れないかな? 起業のキッカケに何かできないかな? 不思議な物質を調査しながら、起業家の創造力を体験していこう!」

―そもそも“起業家”ってなぁに?

なべっち「起業家には、いろいろな答えがあります。たとえば、起業家とはすごい発明家、とかね。いろんな答えがあるんだけど、ひとつの答えとして、今日はこの考えでいこうと思います。」

“自分の技で生きる人”

なべっち「自分の技で生きている人、たとえばYouTuberだったり、漁師さんだったり、お笑い芸人だったり。じゃあ、自分の技で生きている人達って、具体的にどんな技を使っているのかな? 技にはいろいろあるだろうけど、今日はこの2つを紹介します。」

①探求する力 ☞ 自分で考えて、自分で動く力
②創造する力 ☞ 何かを創り出したり、何かを生み出したりする力

なべっち「自分の技で生きている起業家は、何がキッカケで起業したんだろう。モヤモヤしたことがあったから? ピンとひらめいたから? それとも、好きだなと思ったことで?

いろいろなキッカケがある中で、今回は3つのステップから“ひらめいた!”が体験できるぞ。それではさっそく実験スタート!」

STEP1 ウーブレックの不思議な性質を分析しよう!

みんなに配られた物質、見た目は液体っぽいけど……。
調査員の子ども達からは「スライム~?」「スライムだ!」という声が。

なべっち「この物質を、味覚以外を使って調査しよう。口に入れちゃダメだからね! 触ったり、ストローで表面を吹いてみたり、コーヒーフィルターに入れてみたりして、性質を探っていくのがミッションだ。」

―性質ってなぁに?

なべっち「みんな学校でチョークを使うよね? チョークってどんなの?」

調査員 「消せる!」「粉っぽい」「いろんな色がある!」

なべっち「いまみんなが言ったことが性質です。つまり、その事物に本来そなわっている特徴のこと。それでは、まわりの調査員と協力しながら、みんなで性質を調べていこう!」






ウーブレックを手掴みしたり、スプーンで押したり、ニオイをかいでみたりして、性質を分析していく調査員たち。

STEP2 調査結果をまとめよう!

Q 触ってみた感想は?
調査員 「刺激をくわえるとやわらかくなる!」「スライムじゃない!」「手がヤバイことになってる……」「とけたアイス!」「圧力をかけたらとける気がする」

Q どんなニオイ?
調査員 「くさい!」「粘土っぽいニオイ!」

Q どんな色?
調査員 「みどり!」「白!」

Q ストローで吹いたら?
調査員 「波紋!」「波紋みたいになったぁ」

Q コーヒーフィルターに通したら?
調査員 「ドロドロの水が出てきた!」「普通の水~」

なべっち「調査報告、ありがとう! それでは、この不思議な物質“ウーブレック”の正体を教えます。それは……」

“水とき片栗粉”

なべっち「砂糖水は甘いよね? 塩水はしょっぱいよね? これは水にとけているからなんだ。でも、片栗粉は水にとけません。片栗粉はすごく小さいからとけているように見えるけど、実はまったくとけていないんです。

水とき片栗粉をギュッとにぎると、水分が中に閉じ込められる。離すとその水分が出てくるから、ジワジワ~ととけます。この現象をカタカナでこう呼びます。」

“ダイラタンシー現象”

なべっち「じゃあ、調査結果をまとめるよ! 不思議な物質は水とき片栗粉でした。性質は、力を入れるとかたくなり、力を抜くとドロドロとけていく。」

STEP3 水とき片栗粉の性質をもとに起業アイデアを考えよう!

不思議な物質“ウーブレック”の正体を知った調査員。
実験最後のミッションは、このダイラタンシー現象をいかした商品を考えること。

紙とペンを持ち、みんなでアレコレ考えること約20分……。

次々とおもしろい商品のアイデアが生み出されていった!

商品のアイデア発表

調査員A
商品名:ぶよぶよサッカーボール
サッカーボールをちょっとでも蹴るとぶよぶよします。ボールを割ってしまったら負け!

調査員B
商品名:オバケの手
イベントなどでオバケになりたいときに手や体に塗ってオバケになる。

調査員C
商品名:スイートペン
ペンの上を押すと片栗粉がかたまり、外に出るととけるから字が書ける。片栗粉は食べられるから、料理にも使えます。それに家で補充もできるし、色も変えられる!

調査員D
商品名:とけてもまたかたまるアイス
とけてしまっても、またかたまってくれるアイス。

調査員E
商品名:小さくできるリュック
テントの性質でできているから、ヒモを引っ張ると小さくなる。

大人も参戦!

イベントを開催した場所「StartupSide Tokyo(旧:IGNIS FLAT)」のスタッフ渡邉駿くんもアイデアを発表。
商品名:あたまもるくん
普段はやわらかい帽子だけど、石が当たるとかたくなって頭を守ってくれる。

片栗粉の性質をもとに、商品のアイデアを考えてくれた調査員たち。

実は、この世の中には、水とき片栗粉のダイラタンシー現象をいかした商品が、もうすでにあるんです。その商品は……。

“防弾チョッキ”

なべっち「防弾チョッキとは、銃で撃たれたときに守ってくれるジャケットのこと。銃で撃たれた衝撃でかたまり、そのかたさはダイヤモンド以上にもなると言われているんだ!

でも、普段着ているときはやわらかいままだから、動きやすいのが特徴。防弾チョッキの素材は片栗粉じゃないけど、同じダイラタンシー現象の性質を利用して作っています。」

実験はこれで終わりです。

ここからは、ウーブレックの作り方を伝授!

【材料】
①片栗粉 ※コーンスターチでもOK
②水
③ボウルやタッパーなどの容器
④計量器
⑤飾り(着色料やホログラムなど) ※飾りはなくてもOK

【作り方】
1.ボウルに「片栗粉1.5:水1」の割合で入れる。今回の実験では「片栗粉100g:水80g」の割合。
2.手、またはスプーンでまぜる。
3.お好みで着色料やホログラムなどを入れる。

【捨て方】⚠重要
排水溝に捨てるとつまってしまうから、トイレに流して捨てよう!


計量器にボウルを乗せ、片栗粉を入れる


水をそそぐ


スプーンまたは手でまぜる


お好みで着色料やホログラムを入れる

最後になべっちから調査員たちへメッセージ

この体験をキッカケに、「探求」と「創造」の目線で町を歩いてみよう
意外に気づいていない発見があるかもよ!?

たとえば、自動ドアってどうして動くの? 電気ってなんで明るいの? などなど。
世の中には不思議がいっぱい。その不思議なことは、すごく考えてそういう仕組みになっているのもあるし、実はまだ誰も考えていない可能性もある

不思議なことを解決したい! これはやらなきゃダメだ! どうしてもやりたいことがある!
そんなことを思ったら、起業家を目指してみよう!

起業家教育を担う大人たちへのメッセージ


鈴木 英樹(株式会社ツクリエ/CEO)

ツクリエは起業家教育に力を入れています。子ども向けから大学生、さらには社会人までのプログラム開発を行っており、まずは子ども向けと大学生向けのプログラムから優先して取り組んでいます。

ショッキングなデータがあります。2022年2月16日に行われた経済産業省の「第4回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」の資料の中にある日本の18歳像。(下記資料参照)

これをみると日本の18歳は諸外国に比べ、当事者意識が薄い。自分では国や社会、現状を変えられないと思っている人が多いようです。

実際、自分が18歳の時は、現状や社会に幻滅して、どこか自分事ではなかったので同じように答えたかもしれません。

しかし今、ものすごく危機感を感じるわけです。現状に不満や課題を感じるのであれば、誰かがやってくれるだろうと人任せにするのでなく、自分で行動して解決にチャレンジしてみる。

アントレプレナーシップとは何か?
―私はある人が言った「暗いと不平を言うよりも進んで灯りをつけましょう」という言葉が大好きで、まさにこれだと思っています。
我々の起業家教育プログラムが、何かのきっかけとなれば幸いに思います。

以上、ツクリエ鈴木英樹CEOのメッセージでした。


今回の起業家体感実験は、小田急電鉄株式会社が主催する「小田急ONE(オーネ)子育て応援プログラム」を通じて開催されました。
このプログラムは、体験イベントやライフサポートサービスを通して子育てファミリーを応援するというもの。毎月体験イベントを開催されているので、気になる方はチェック!

小田急 ONE子育て応援プログラム
ONE(オーネ)公式ツイッターはコチラから。

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