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『起業ってなに?』をよみとくWebマガジン

ヨーロッパの投資家たちも注目する アフリカ&中南米のスタートアップを日本に紹介!

“起業家に寄り添う”をミッションに掲げるツクリエは、いったいどんなお仕事をしているのでしょうか?

この「お仕事クローズアップ」シリーズでは、ツクリエの事業内容を掘り下げてご紹介。ホームページでは伝えきれないツクリエの仕事や情熱をお届けします!

今回は、海外と日本をつなぐ世界規模のスタートアップ支援プロジェクトに取り組む「グローバル事業」の活動にスポットライトを当てました。また、グローバル事業部の活動が垣間見られるイベント「グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN」もレポートします。

ナビゲートしてくれるのはグローバル事業チームのコウさん!

Koh Boonho(コウ・ブンホウ)さん
マレーシア出身。2000年に留学のため来日して以降、日本にて企業勤務、起業経験もある。現在は株式会社ツクリエのグローバル事業部で国内外の起業家支援、海外スタートアップの日本誘致プログラムなどを企画運営するほか、東京の起業支援施設「StartupSide Tokyo(旧:IGNIS FLAT)」「六郷BASE」のインキュベーションマネージャーに従事。専門はIT関連、研究開発、海外展開。多言語対応可。東京大学博士(科学)、MBA取得。

What’s グローバル事業部?

ツクリエでは日本国内で培ってきた起業支援事業の海外展開を目指し、2021年にグローバル事業部を発足。

海外出身スタッフも所属するグローバルなチームとして、グループ会社Social Impact Solutions株式会社(SIPS)の海外16カ国のネットワークを強みに、各地の団体や企業と連携してインキュベーションプログラムなどを企画運営しています。

【グローバル事業部の主な活動】
①スタートアップ支援
海外のスタートアップによる日本市場への進出を支援。または海外展開を考える日本のスタートアップの支援。それらに伴う、国内外の行政手続きやオフィス・住宅探しなどのサポート業務。

②イベント&プログラム運営
グローバルスタートアップのネットワークを形成し、提携各国のスタートアップと日本をつなぐピッチイベントを主催。そのほかグローバル関連のアントレプレナーシップやアクセラレーションプログラムの企画運営、ビジネスマッチングも手がける。

③多言語での支援体制
バイリンガルな日本人&海外出身スタッフによる英語、中国語、マレー語、タイ語の多言語対応が可能。海外の起業家が日本に進出する際の相談・メンタリングも担当。

こうした活動をマレーシア出身のコウさん、タイ出身のアンピヤクンさん、そしてアメリカでの生活経験もある日本人スタッフの黒澤さんの3名で手がけているのだとか。

コウさん「現在、グローバル事業部では、海外発のスタートアップを日本の投資家や協業に関心のある企業に紹介するピッチイベントの企画運営に力を入れています。
今年1月には東南アジアのスタートアップを招いてオンライン開催し、話題となりました。今後はヨーロッパの投資家たちも注目する、成長著しいアフリカや中南米で発掘した気鋭のスタートアップたちが登壇する予定です。」

ここからは、グローバル事業部が企画運営を手がける「グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN」にフォーカス!

本イベントは前出のSocial Impact Solutions株式会社(SIPS)のグローバルネットワークをベースに、ツクリエとグループ会社の テイーエスアイ株式会社が共催する、海外のスタートアップと日本をつなぐピッチイベントシリーズ。

まずは、2022年1月に開催した第1回目の様子をレポートします。

【イベントレポート】日本初登場! 東南アジアのスタートアップが話題に

革新的かつ社会的意義の高いビジネスモデルに取り組む海外のスタートアップを発掘して紹介し、日本での資金調達やビジネスマッチングを目指す『グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN』。

第1回は1月26日にオンラインで開催され、日本初登場となる東南アジアのスタートアップ4社がエントリー。各社とも20代を中心とした気鋭の起業家たちが、FinTech/EdTech/ IT/ゲーム開発の分野で熱量の高いピッチを披露しました。

【熱いピッチを繰り広げた登壇スタートアップをご紹介!】


NeuXP Sdn Bhd (マレーシア)
NeuXPは、銀行サービスとライフスタイルサービスを1つのアプリに統合し、柔軟でアクセスしやすく、シンプルなオムニチャネルユーザーエクスペリエンスを提供するデジタル・バンキングプラットフォームのプロバイダーです。その完全にデジタル化した銀行プラットフォームは、銀行の問題点に対処し、ヨーロッパ、米国、アジアとそれ以外の渡航者の旅を容易にするように設計されています。


EnGame (マレーシア)
EnGameはオンライン・クーポン・アーケード・プラットフォームです。ゲームを通じて、加入企業の顧客を獲得および維持します。プラットフォームに登録すると、加入企業はTap Masterでクーポンの形でビジネスとブランドを宣伝し、顧客を喜ばせ、引き付けることができます。


The Heritage Opera (インドネシア)
The Heritage Opera(THO)は、創造的な作品を利用して文化遺産の認知度を高め、アジア都市のブランド化と地域の活性化を支援する遺産ブランド化のサービスです。私たちのビジョンは、持続可能な都市開発を推進し、文化遺産の可能性を加速することです。


PT Teknologi Indonesia Group (インドネシア)
Teknologi.id(PT. Teknologi Indonesia Group)は、インドネシアおよび世界の技術開発に焦点を当てたマルチプラットフォーム・メディアの企業です。 私たちは、開発者、パイオニア、各産業と協力して、より優れた技術開発のエコシステムを構築しています。毎月10万人以上の読者と最大16万人のInstagramのフォロワーから信頼されています。

以上、第1回目のイベントレポートでした。

開催当日、主催スタッフを務めたコウさんは「どのスタートアップも英語でしっかり表現できていて勢いもあり、当初から世界展開を見据えたビジネスモデルを創り出している点で、成長ポテンシャルの高さを感じました。

日本市場にうまくマッチすれば、今後も効率の良い投資が期待できそうです。」と、手応えを感じたといいます。

実際、各社のピッチ後には、オーディエンスからの質問が相次ぎ、さっそく協業のオファーも! 引き続き、ツクリエのグローバル事業部がフォローするかたちで、各社との個別面談などが進められています。

【お見逃しなく! 第2回ピッチイベントInformation】
それでは2022年3月30日(水)に開催予定の次回イベント情報もチェックしていきましょう。ピッチを披露するのは、アフリカ諸国で医療や人工知能分野でビジネスモデルを開拓しているスタートアップたち。

オンラインでのオーディエンス申し込み期限は前日29日までとなります。

アフリカ発のヘルスケア事業や翻訳ツール開発の4社が登壇!

開催間近の第2回「グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN」は、アフリカ大陸のナイジェリア、チュニジア、南アフリカ共和国からヘルスケアとAI事業における注目のスタートアップ4社が登壇予定です。

イベント当日に紹介されるヘルスケア事業は、日本のように頻繁に通院する人は少ないという、アフリカ諸国ならではの国民性にマッチしたオンラインでの在宅医療&医薬品の宅配サービスなど。

Al事業では多言語国家でもあるアフリカでビジネスをするには必須な、自然言語処理ソリューションに特化した人工知能型翻訳システムがお目見えするのだとか。(登壇スタートアップ各社の概要は下記参照)

ただ“アフリカ発の注目スタートアップ”とはいっても、私たち日本人にとっては遠いアフリカ諸国について知らないことのほうが多いのが現状でしょう。「だからといって、投資や協業に消極的になるのは、すごくもったいない!」とコウさんは力説します。

「今回のアフリカや次回6月に開催予定の中南米も同様に、まだ日本では欧米ほど認知度が高まっていない両地域のスタートアップだからこそ、逆にビジネスチャンスがあると思います。ピッチイベントを通して、日本のみなさんとアフリカや中南米の起業家たちがお互いを知るキッカケになれば嬉しいですね!」(コウさん)

東南アジアに続き、アフリカ発のスタートアップたちのエネルギッシュな存在感に、いい刺激を受けそうです。

彼らと出会いたいという方、投資を検討している方、ビジネスマッチングや協業に関心のある方々にオススメしたい、グローバル事業チーム渾身のピッチイベントにご注目ください!

第2回「グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN」
*本イベントは日本語で行います。
スタートアップのピッチは英語(日本語字幕付き)、質疑応答は日本語通訳が付きます。

■タイムスケジュール
2022年 3月 30日(水)17:00~18:30
17:00~17:10 オープニング & 主催者の紹介
17:10~18:25 ピッチプレゼンテーション
        (1チーム当たり10分、7分+質疑応答3分)      
18:25~18:30 クロージング

【登壇スタートアップ情報(予定)】


OneHealth (ナイジェリア)
OneHealthは、アフリカ人の長寿健康維持のために、医薬品とヘルスケアソリューションへのアクセスを提供する、オンライン薬局およびヘルスケアプラットフォームです。


iCompass (チュニジア)
iCompassは、最新のディープラーニングおよび強化学習技術を使用した自然言語処理ソリューションに特化した人工知能スタートアップです。音声文字変換サービス、自動音声生成、チャットボット・ボイスボットを開発しています。まだあまり普及していないアフリカの言語とアラビア語の方言に関するiCompass独自の取り組みは、中東とアフリカ地域でビジネスを行う人々と企業の間に生じる言語のギャップを埋めることに貢献しています。


Welo Health (南アフリカ共和国)
Weloは、スマートテクノロジーを使用してアフリカ人のヘルスケアへのアクセス問題を解決する、ヘルスケアスタートアップです。在宅医療と在宅医薬品を、最も必要とされるときにオンデマンドで提供します。アフリカの国境を越えてソリューションを拡大し、デジタル時代のヘルスケアへのアクセスを提唱することを目指しています。


Chekkit Technologies Corp. (ナイジェリア)
Chekkitは、ワールドクラスの特許取得済みのブロックチェーンベースのシリアル化、消費者インテリジェンス、エンゲージメント&ロイヤルティソフトウェアサービスをサービスとして提供。パッケージ消費財や医薬品の認証とトレーサビリティにおいて、実証済みの成功事例を有しています。

*今回、「グローバル・スタートアップ・ピッチ2022 in JAPAN」についてナビゲートしてくれたコウさんのインタビューは、続編記事でもご紹介しています。

日本在住22年のコウさんだからこそわかる、日本人と海外スタートアップ双方のメンタリティや価値観の違い。「それらを踏まえた上でサポートし、両者をビジネスでつなぐ架け橋になる」という思いが、コウさんにはあるといいます。

こうしたお話をとおして、ツクリエが掲げるグローバル事業部のミッションについても深掘りしてお伝えします。

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