ヨムリエ

『起業ってなに?』をよみとくWebマガジン

ヨムリエの本棚 第5回ー起業に向け、背中を押してくれた本


起業に役立つ本がズラリと並ぶ「ヨムリエの本棚」。
この本棚には、起業経験のあるツクリエ中の人たちが推す、あらゆるビジネスシーンのヒントになる本がいっぱい。この本棚から今回ピックアップしたのは「起業に向け、背中を押してくれた本」です。

まずお一人目はこの方!

木村 佳晶氏(StartupSide Tokyo(旧:IGNIS FLAT)アンバサダー/合同会社アグリハート 代表)
【得意分野】
ヘルスケア/ソフトウェア開発/農林水産/アイデアブラッシュアップ/販路開拓/技術シーズの事業化

ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」/川村 隆著


タイトル:ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」
出版社:KADOKAWA

Qこの本の内容は?
元日立製作所グループの会長である川村隆氏が、7,873億円の赤字からV字回復するに至った、その考え方やリーダーシップ、責任、課題解決のための意識改革、思考習慣などを解説した本です。

会社の経営論だけでなく、社会の課題に対して一人ひとりがどのように責任を持つ意識に向き合うかを説いた心に響く一冊。

スタートアップでも同様ですが、タイトルの『ラストマン』とはどういう意味で、どのような意識を持っているべきなのか……。
プロフェッショナルとして社会の要求に応えるために必要な内容が書かれています。

Qこの本をピックアップした理由は?
私が、起業についての準備や調査、悩みを抱えていたころ、コンサルファーム出身で懇意にしていただいた起業家の先輩から薦められて読みました。
社会にたくさんある課題に対し、具体的にどのように向き合っていくべきなのかヒントをもらいました。

当時の私は、自分の得意領域であるヘルスケアやICTで多くの方に価値提供したいと思っていたものの、ベースとなる「哲学」的な意識が無い状態でした。そのため、こういった先駆者の経験とメッセージを自分なりに解釈し、現在のビジネスに活かすことができました。

起業を航海にたとえるなら、コンパス(哲学的な指標)を持たないまま出帆するのは危険です。ぜひ、この本を読んで哲学的指標を持ってから起業という航海に出てほしい、という思いでこの本を選びました。

Qこの本のエピソード
この本のポイントは、「仕事」とは何かという普遍的な問いへのヒントや、なぜその「仕事」をするのか、どういう意識状態が求められるのか、それを行動に移すにはどうしたらよいのかなど、川村氏流の解釈が詳しく説明されている点です。

私もこの本に出会い、「出来る事は何か」、「仕事として正しく稼ぐために必要な思考習慣とは」といった、実践的なエッセンスが身に付き、現在に至っています。本文の最後に貴重なメッセージがあり、今でもそれは大事な言葉として残っています。

続いてお二人目はこの方!

戸田 江里子(StartupSide Tokyo(旧:IGNIS FLAT)アンバサダー/株式会社ハッピーコム 代表取締役)
【得意分野】
Webサービス/ソフトウェア開発/ オンラインショップ/地域振興・観光/アイデアブラッシュアップ/Webシステム構築/ピッチデッキ資料作成/販売促進

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方/ベティ・L. ハラガン(著)福沢 恵子、水野谷 悦子(訳)


タイトル:ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方
出版社:光文社

Qこの本の内容は?
著者のベティ・L. ハラガンは、米国のビジネスコンサルタントで、企業社会の中で女性活用を専門分野としている女性です。

本書は1990年代に全米でベストセラーになった「働く女性のためのバイブル」的な本で、ベティ・L. ハラガンは「ビジネスとはゲームです」と定義。
女性が働くゲームの基本ルールを知り、賢いプレーヤーとして目標に辿りつくために、日々の仕事のこなし方をはじめ、お金についての考え方や人間関係など、女性が企業社会で生き抜く秘訣を伝えています。

ジェンダー論とは違う視点で、ビジネスで活躍する女性に勇気を与えてくれる本です。

Qこの本をピックアップした理由は?
ジェンダー論ではなく、客観的にビジネスで生き抜く知恵を与えてくれる点が良いと思いました。たとえば、一般的に女性に足りないと言われているスキルについて、“なぜそれが足りないのか”という理由を明確に述べています。

「ゲームのルール」を知ることにより、「ゲームに参加して勝つ事ができる」という一貫したメッセージは、ビジネスで活躍する女性に勇気を与えてくれるはずです。

Qこの本のエピソード
私はこの本に出会い、「自分も起業しよう!」と決心しました。当時、会社員をしていた自分に経営スキルがあったとは言えず、自信もなかったのですが、チャレンジする勇気をもらいました。

ビジネスをゲームとして客観的に捉えることで迷いが払拭され、起業という行動につながったと思います。

☞戸田さんが「困難に直面した時に読んだ本」はこちら

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