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職業としての起業支援家
公開日:2023.12.11
手始めに、AIに「起業に向いていない人の特徴は?」と問いかけてみました。
起業に向いていないとされる特徴は一概に言えませんが、以下は一般的な傾向として挙げられるいくつかの特徴です。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、全てが全ての人に当てはまるわけではありません。
1. リスクを取ることが苦手な人: 起業は不確実性が伴う冒険です。成功するためにはリスクを取り、不確実な状況に対処する能力が求められます。リスクを恐れ、安定性を求める傾向が強い人は、起業に向いていないとされることがあります。
2. 柔軟性がない人: 起業は変化の激しい状況に適応することが求められます。柔軟で新しいアイデアに開かれていない人は、急速に変化するビジネス環境に対応するのが難しいかもしれません。
3. 計画を立てずに行動する傾向がある人: 良いビジネスは緻密な計画に基づいています。計画を立てないで適当に進む傾向があると、ビジネスの長期的な成功が難しいかもしれません。
4. 困難に対処する能力が低い人: 起業家はしばしば困難に直面します。経済的な問題、競合他社の登場、技術の進化などが挙げられます。これらの困難に対処できない人は、起業が難しいかもしれません。
5. 協力やチームワークが苦手な人: 起業は協力やチームワークが不可欠です。一人で全てをこなすことは難しく、他の人と協力してビジネスを構築することが求められます。
6. 焦りやイライラが多い人: 起業は時間がかかることがあり、最初から成功することはまれです。焦りやすい人は、困難に直面した際に挫折しやすいかもしれません。これらの特徴が当てはまっても、それが全てではありません。成功する起業家にもさまざまなタイプの人がいます。重要なのは、自分の強みや弱みを理解し、それに基づいて行動することです。
(2023/11/23 Chat GPT3.5の回答引用)
素晴らしい。模範回答。ただ1点、「緻密な計画」のところは疑問が残ります。スモールビジネスには当てはまりますが、スタートアップの場合は、計画の緻密さよりも実践のスピード感が重要とは思います。けれども十分な回答です。
長く起業支援に取り組み、多くの起業家を見てきました。その経験と直観から、私が思う「起業に向いていない人」とはどんな人か? もちろん、冒頭に申し上げた通り、性格や資質の面で「向いている・向いていないなんてない」ですが、それ以外のところで「向いていないなあ」と思う人の特徴はあります。そのあたりをお話します。
1. 起業が目的化している
起業とは手段です。どうしてもやりたいこと=目的があり、それを達成する手段として起業があります。「起業はかっこいい」「社長になりたい」という思いは大事ですが、それだけでは成功しません。ビジネスは全く別の話です。起業すれば困難も多いですし、やめる理由は腐るほど出てきます。だから、かっこいいだけでは続かないのです。
2. 他人の意見を聞かない
ゆるぎない信念を持つことは重要です。信念を変える必要はありません。しかし、手段や方法論、つまりビジネスにおけるHOWの部分では、いろんな他人の意見を柔軟に取り入れた方がいいです。ビジネスの答えは、だいたい自分の外にあります。顧客や社会が持っています。売れるかどうかの答えは、一人で考えても答えは出でません。顧客に会って売ってみたらわかります。
3. 覚悟が決まっていない
起業家が抱く「どうしてもやりたいこと」、言い換えると「動機」や「覚悟」は、その人の内部にあります。それは、果物をぎゅっと絞ったら出てくる果汁のようなものです。起業家をぎゅっと絞ったら出てくる汁。何だか気色悪いですが、それが信念と覚悟です。絞っても果汁が出てこなければやめた方がいい。出てきたら始めたらいいのです。
4. 出木杉君
綿密な市場調査に基づく、合理的かつ論理的なビジネスプラン。そんな事業計画は素晴らしいのですが、どこか物足りない。「体に良さそうだけど美味しそうでない」です。一方、脂身たっぷりの肉は「体には悪そうだなあ、だけど美味しそう」なんです。どこかクレイジーでストレンジな、ちょっと抜けているところがあるけど人間味がある、そんな人の方が私は魅力的に感じます。ドラえもんのキャラクター出木杉君は成績優秀、スポーツ万能でしずかちゃんに思いを寄せます。しかし、しずかちゃんは結局はのび太と結婚するのです。
5. お金に向き合わない
お金の話は苦手とか、どぎついとか、という感覚はどこかありますよね。しかし、価値はお金で表現されます。裁判でも賠償の大きさはお金で表すしかないのです。「困った人を助けたい」という動機は素晴らしいです。「お金を儲けたい」という動機もまた素晴らしいと思っています。そうしたお金の話を避けて通ろうとするというか、お金の話を曖昧にするというか。綺麗ごとだけを並べてお金に正直に向き合わない人は結局はお金に泣くでしょう。
以上が私の皮膚感覚で申し上げる「向いていない人」です。正確にいうと、上記のような方から相談を受けると「ちょっとどうかなあ」と感じる程度です。ですので根拠は全くありませんし、AIが言う通り、すべてに当てはまりません。おそらく私の好き嫌いの問題かもしれません。
結局はここで書いたような方がめちゃくちゃ成功していたらいいですね。仮に根拠やデータがあっても確率論でしかないですから。
「向いている、向いていない」を考える暇があったら、覚悟を決めて行動するしかないのです。だから、決めつけは良くないですね。起業する人もダイバーシティの時代です。