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2026.06.29

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日暮里から、ファッション起業家が育つ場所へ。イデタチ東京5年間の歩み

イデタチ施設写真

2021年2月、東京都荒川区の日暮里繊維街に誕生したファッション関連産業に特化した創業支援施設「イデタチ東京」。

開設から5周年を迎えたことを記念し、荒川区や運営スタッフ、入居者・卒業生、支援者が参加するイベント「イデタチ東京5周年トークセッション~起業家と支援者が語る ファッション×起業のリアル~」を6月4日(木)に開催しました。イベントでは、施設開設の背景やこれまでの支援の歩み、入居者の成長、そして今後の展望について語られ、改めてイデタチ東京が果たしてきた役割を振り返る機会となりました。

弊社は開設準備段階から施設運営を担い、コンセプト設計や支援体制の構築、入居者支援、コミュニティ形成まで一貫して携わってきました。

開設から5年。卒業生13事業者を輩出し、区内定着率69%メンタリング実施回数502回を記録するなど、ファッション関連領域における専門型インキュベーション施設として着実に成果を積み重ねています。

今回は、5周年イベントで語られたエピソードも交えながら、イデタチ東京の5年間の歩みを振り返ります。

イベント風景
<5周年イベントのトークセッションの様子>

日暮里繊維街という地域資源を活かした、ファッション特化型創業支援施設

イデタチ東京は、荒川区が運営するファッション関連産業に特化した創業支援施設です。

施設が位置する日暮里繊維街は、約1kmにわたって生地店や服飾資材店が立ち並ぶ日本有数の繊維街として知られています。ものづくりの土壌が根付くこの地域資源を活かしながら、新たなブランドやクリエイターを育てる拠点として誕生しました。

施設開設にあたり荒川区が目指したのは、単なるレンタルオフィスや創業支援施設ではなく、地域産業と連携しながらファッション関連事業者を育成する場所をつくることでした。

5周年イベントでは、開設準備に携わった関係者から当時を振り返る声も聞かれました。

「どうすれば唯一無二の施設をつくれるのか。多くの方に相談しながら試行錯誤を重ねました」

施設のコンセプトづくりから運営設計まで、多くの関係者の想いと議論を重ねながら、全国でも珍しいファッション特化型インキュベーション施設としてスタートしました。

施設外観
<布地の織り目をイメージした荒川区立日暮里地域活性化施設「ふらっとにっぽり」(5階がイデタチ東京)>

コンセプト設計から伴走支援まで。ツクリエが担う施設運営

ツクリエは2020年の開設準備段階から参画し、施設コンセプトの策定、支援メニューの設計、運営体制の構築を担当してきました。

開設時には、施設名称やブランドコンセプトの設計に加え、入居審査基準や支援プログラム、専門家ネットワークの整備など、インキュベーション施設として必要な仕組みづくりを実施しました。

開設当時について、運営スタッフは次のように振り返ります。

「コンセプトや支援メニュー、利用ルールなどを含めた設計を約10か月かけて行いました。開設前にしっかりと準備できたことが、現在の支援体制につながっています」

運営開始後は、インキュベーションマネージャーとコミュニティマネージャーが中心となり、定期面談や専門家相談、イベント企画などを通じて入居者の成長を支援しています。

また、日暮里繊維街との接点づくりや地域イベントとの連携など、地域とのつながりを生み出す取り組みも継続して行っています。

5年間で積み重ねた成果

開設から5年間で、イデタチ東京は多くのファッション起業家の挑戦を支えてきました。

主な成果の一部は以下の通りです。

  • 卒業生13事業者を輩出
  • 区内定着率69%
  • メンタリング実施回数502回
  • 継続的な個別伴走支援を実施

これらの数字は、単なる創業支援ではなく、事業継続や地域定着まで見据えた支援の成果でもあります。

5周年イベントでは、荒川区からも施設の成果について言及がありました。
「ファッション関連産業に特化した施設ができたことで、この分野で起業を目指す方々が集まり、新たな産業の集積が生まれつつあります」

また、施設を通じて入居者同士の交流や協業も生まれ、コミュニティ形成の面でも成果が広がっています。

ファッション事業ならではの課題に寄り添う支援

全国には数多くの創業支援施設がありますが、ファッション領域に特化した施設は多くありません。
ファッション事業では、商品開発だけでなく、ブランド構築、販路開拓、マーケティング、資金計画など、多面的な経営課題への対応が求められます。

特にクリエイターやデザイナー出身の起業家にとっては、優れたものづくりの力と事業を経営する力を両立することが大きなテーマとなります。

イベントでは、運営スタッフから次のような言葉もありました。
「クリエイティブ領域のビジネスほど難しいものはありません。自分のクリエイティビティで勝負しなければならない世界だからこそ、専門的な支援が必要だと思っています」

イデタチ東京では、ブランドコンセプトの整理、販売戦略の検討、売上や数字の管理、ファンやフォロワーの獲得、専門家とのマッチング、地域とのネットワーク構築など、ファッション事業特有の課題に対応した支援を実施しています。

経営支援だけでなく、クリエイティブやブランドづくりまで含めて伴走することが、イデタチ東京ならではの特徴です。

入居者・卒業生の成長を支える環境

支援の成果は、入居者・卒業生の変化にも表れています。
入居期間中に法人化を実現した事業者や、チーム体制へ移行し事業規模を拡大した事業者も生まれています。

卒業生からは、
「入居していなかったら、今より事業の進捗は遅かったと思います」
「相談できる人がいる安心感がありました」
「自分では気づけなかった視点を得ることができました」
といった声が寄せられています。

また、卒業生の中には、個人事業から法人化を果たし、社員を抱えながら事業を展開するフェーズへ進んだ事業者もいます。

こうした変化は、単なるオフィス提供ではなく、継続的な伴走支援やコミュニティの存在があってこそ生まれた成果といえるでしょう。

次の5年に向けて

5周年イベントでは、荒川区、運営スタッフ、入居者・卒業生それぞれの立場から、この5年間の成果と今後への期待が語られました。

施設開設当初に掲げた「日暮里からファッション関連の起業家を輩出する」という構想は、卒業生の輩出や地域とのつながりを通じて少しずつ形になっています。

一方で、ファッション業界を取り巻く環境は大きく変化しており、起業家に求められる力も多様化しています。

イベントの様子
<現入居者の「YUTASETOGAWA」デザイナー・瀬戸川裕太さん(左) 卒業生の「HOUGA」デザイナー・石田萌さん(右)>
イベントの様子
<卒業生の「FavorKnits」代表・市勢善浩さん(左) 株式会社EBRU 代表取締役・佐藤怜さん(右)>

今後も、日暮里繊維街という地域資源を活かしながら、ファッション領域に特化した伴走支援を継続し、新たなブランドや事業の創出を後押ししていきます。

5周年イベントは、これまでの歩みを振り返る場であると同時に、次の5年に向けた新たなスタートでもありました。

日暮里から、ファッション起業家が育つ場所へ。
イデタチ東京はこれからも、挑戦する人々とともに歩み続けます。

<5周年イベントに登壇した入居者・卒業生・弊社スタッフの集合写真>